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匿名チャットに「性別で探す」を作らなかった理由

個人で運営し続けられる形に収めるための線引き

2026年08月16日 公開 / 個人開発 ・ 法規制 ・ アプリ設計

匿名チャットアプリを作るとき、最初に決めたのは何を作らないかでした。具体的には、性別を検索・絞り込み・並び順のどれにも使わないことです。機能を削る判断としては地味ですが、個人で運営を続けられるかどうかがここで決まります。

01 — 何が問題になるか

「異性を紹介する」と見なされる境界

いわゆる出会い系サイト規制法(インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律)は、 面識のない異性同士が交際を目的として相互に連絡できるサービスを対象にしています。 該当すると、公安委員会への届出に加えて、利用のたびに公的書類で年齢確認を行う義務が生じます。

個人でアプリを1本運営するのに、この体制を維持するのは現実的ではありません。 無届で運営して摘発された事例もあります。したがって選択肢は 「要件を満たして運営する」か「そもそも該当しない設計にする」かの二択で、後者を選びました。

02 — 具体的に決めたこと

性別を「探す条件」にしない

検索・絞り込み性別で相手を絞る機能を作りません。
並び順おすすめ順のスコアリングに性別を一切入れません。表示順を通じて実質的に絞り込めてしまうためです。
公開一覧・掲示板誰でも閲覧できるプロフィール一覧や書き込み板を作りません。
説明文ストアの説明にも、恋愛や出会いを想起させる語を使いません。

プロフィールの表示項目として性別を持つこと自体は残しています。 あくまで相手を探す条件として使わない、という線の引き方です。 並び順を除外対象にしたのは、絞り込みボタンを消しても、 おすすめ順が実質的に同じ働きをしてしまえば意味がないと考えたからです。

03 — 実装として守る

方針は、コードに書いておかないと消える

この種の判断は、時間が経つと理由のほうが先に忘れられます。 半年後の自分が「性別で絞り込めたほうが便利では」と思いついて、良かれと思って実装してしまう。 それを防ぐために、開発用のガイドに変更してはいけない設計判断として理由ごと書き残しました。

個人開発では、レビューしてくれる相手がいません。 だから「なぜそうなっていないか」を書き残しておくことが、唯一のブレーキになります。 機能を足すときのメモより、足さないと決めた理由のメモのほうが寿命が長いというのが、いまのところの実感です。

04 — 断り書き

これは法律の助言ではありません

ここに書いたのは、個人開発者が自分のアプリについて調べ、判断した内容です。 法律の専門家ではないので、これを一般的な基準として受け取らないでください。 自分のサービスが該当するかどうかは、必ず一次情報と専門家に当たって判断してください。

このアプリについてはとりまトークの紹介ページにまとめています。

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