祭りは、日常の秩序をいったん解いて、また結び直す仕掛けです。裸で走る、火の中を歩く、巨大な物を担いで街を練る、死者と一緒に踊る。ふしぎに見える行いにも、土地の暮らしと祈りの筋が通っています。ここでは、見物する側の驚きよりも、続けてきた人々の側から書くことを心がけました。
開催の日程や内容は、年や地域によって変わります。
72語
裸と火と水の祭り
-
裸の男たちが、厄除けの「神男」に触れようとして押し合う。数千人が参加する。
-
重さ約50キロの大松明を担ぎ、那智の滝の神へ火を捧げる。
-
鞍馬の集落で、松明を担いで練り歩く祭。京都三大奇祭の一つとされる。
-
町の通りに高さ三メートルの松明を並べて燃やす、富士山の山じまいの祭。
-
正月の早朝に開門と同時に本殿まで走り、着順で「福男」が決まる。
-
若い男女や参加者が水をかけ合って厄を払う行事。東南アジアのソンクラーンは、新年の水かけとして知られる。
-
田植えの祭礼から生まれた芸能。楽器を鳴らし、跳ねて踊りながら豊作を祈った。
-
牛同士を角で組ませる勝負。勝敗を競うが、傷つけ合うことはなく、一方が退くと終わる。
-
重さ数トンの山車を、若者が綱で引いて街角を全速力で曲がる。
-
大きな武者などの灯籠を、跳ね人が囲んで練り歩く。夏の眠気を払う行事に由来する。
-
数十個の提灯をつけた長い竹竿を、額や腰で支えて夜空に立てる。
-
男たちが「山」と呼ばれる重い台を担ぎ、博多の町を全力で駆け抜ける。
来訪する神と異形
-
面をつけて家々を訪ね、怠け者の足にできる「アマメ(火型)」を剥ぐと脅す。
-
首のない馬に乗ったとされる年の神。子どもたちの一年の悪さを叱り、餅を配る。
-
大きな面と赤い模様の異形が現れ、泥のついた杖で人に触れ、厄を払う。
-
泥にまみれた仮面の神が、人や新築の家に泥を塗りつける。
-
旧暦の行事に、遠くから訪れる神。家々を訪ねて祝福の言葉を告げる。
-
藁の蓑や笠を着た若者が、家々をまわって祝福を与える。
-
年の節目に、異なる世界から訪れて人々に祝福を与える神。仮面や蓑をつけた姿で現れる。
-
山の神は女性の姿で語られることが多く、醜い女神ほど喜ぶと言われ、山の仕事の人々は供え物にオコゼを使う。
-
獅子頭をかぶって舞い、悪霊を払う。頭を噛んでもらうと、子どもが丈夫になると言われる。
-
冬の夜に、鬼が舞い、釜で湯を沸かし、人々が湯を浴びる。鎌倉時代に始まったとされる。
-
旧暦十一月に、湯を煮え立たせ、神々を勧請して舞う。人々は夜を徹して祈る。
-
神の乗り物を、担ぎ手が揺らしながら練り歩く。乱暴に揺らすほど、神が喜ぶとされる。
喧嘩と勝負の祭り
-
神輿を激しくぶつけ合う祭。壊れるほど、神が喜ぶとされる。
-
「どんたく」は、オランダ語の「日曜日」に由来するとされる。市民が仮装して街を練る。
-
長さ二百メートルにもなる大綱を、東西に分かれて引き合う。ギネス記録に認定された。
-
宮中で行われた相撲の儀式。のちの大相撲の起源の一つとされる。
-
山車の舞台で、子どもが歌舞伎を演じる。
-
龍を模した船を、大人数で漕いで競う。銅鑼の音に合わせて漕ぐ。
-
四旬節の前に行われる、肉を断つ前の饗宴。仮装、行列、踊りが続く。
-
サンバ学校が数千人でパレードを競う。一年をかけて衣装と山車を用意する。
-
仮面をつけて、身分や素性を隠して街を歩く。
-
朝四時に、街の灯りを消して、灯籠と笛と太鼓の行進が始まる。
世界の奇祭
-
急な斜面を転がり落ちる丸いチーズを、参加者が追いかけて転がり落ちる。最初にふもとに着いた人が、そのチーズを持ち帰る。
-
八月最後の水曜日に、町中で熟れたトマトを投げ合う祭。
-
サン・フェルミン祭で、放たれた牛と一緒に、街の通りを走る。
-
灯火の祭。家々に小さな灯りを並べ、光が闇に勝つことを祝う。
-
九日間、菜食を守る。祭りの間、信者は体に串を刺すなどの行為を行う。
-
古代ケルトのサウィンの祭に由来し、仮装した子どもたちが家を訪ねる。
-
サンタクロースの原型の一つで、「ヨウルプッキ」は「クリスマスの山羊」の意。
-
魔女がブロッケン山に集まるという伝承の夜。いまは春を迎える篝火の祭。
-
悪魔の扮装をした男が、道に寝かされた赤ん坊の上を跳び越える。赤ん坊の悪を取り払うとされる。
-
ヴァイキングの衣装をつけて、松明を持ち、船に火を放つ。
-
人が積み重なって塔を作る「カステイス」や、火を吹く獣の行列が出る。
-
人が肩に乗って積み上がり、十階の高さになる人間の塔。
-
羽の帽子をかぶった「ジル」が、太鼓に合わせて街を練り、通行人にオレンジを投げる。
-
大晦日に鬼を追い払う宮中の行事。のちの節分の豆まきの元になった。
-
豆をまいて鬼を払う。「鬼は外、福は内」と唱える。地域によっては、鬼を払わない家もある。
奇妙な習わしと通過儀礼
-
つる草を足に結んで、高い塔から飛び降りる成年の儀。バンジージャンプの由来とされる。
-
弾丸アリを編み込んだ手袋に手を入れ、耐える成人の儀式。
-
女性が首に金属の輪を重ねていく習慣。
-
女児の足を布で固く巻き、小さいままにする習慣。二十世紀前半に廃れた。
-
歯を黒く染める化粧。既婚の女性や、公家、武家で行われ、明治時代に廃れた。
-
既婚女性が眉を剃る習慣。歯を黒く染める習慣と同じころに廃れた。
-
出産のために特別に建てた小屋。出産は穢れとして、家の外で行われた地域があった。
-
夜に、若者が恋人の家を訪ねる風習。村によって、ゆるやかな決まりがあった。
-
一定の年齢の若者が共同で寝泊まりし、村の仕事を学んだ宿。
-
生まれた子を、やむを得ずに育てない行為。貧しさから行われた。
-
年老いた者を山に捨てるという伝説。実際にあったかは疑わしいが、民話として広く伝わる。
-
遺体を洞窟などに置き、自然に任せる葬法。
-
葬った遺体の骨を数年後に取り出し、洗って納めなおす習慣。
-
火葬のあと、遺族が二人一組で骨を箸で拾い、骨壺に納める。
-
死者に着せる白い着物。左前に着せるなど、生前の着かたと逆にする習わしがある。
-
死者の枕元に供える、茶碗に山盛りにした飯。箸を立てる。
-
死者を北向きに寝かせる。釈迦の入滅の姿に由来する。
-
死や出産、血などに触れたことで生じるとされた不浄。一定の期間、行動が制限された。
-
玄関などに塩を盛る習慣。厄を払うため、また客を招くためとされる。
-
神に人を捧げる伝承。多くは伝説として語られ、実際の事例は確かではない。
-
橋や堤防を作る際に、人を生きたまま柱として埋めたという伝承。
-
狐や犬神を使う家系とされ、差別の原因にもなった。
-
毒虫を器に入れて共食いさせ、最後に残ったものを呪いに使う術。
該当する見出し語は、この分類にはありません。辞典全体の索引も引いてみてください。
ほかの棚へ