ヒットチャートの外で鳴っていた音を集めました。ステージで豚の頭を投げたバンド、4分33秒の沈黙、電動ドリルを楽器にした人たち、土星から来たと名乗った楽団。耳で確かめたくなるものばかりです。
結成・発表の年は代表的な資料に拠っています。ライブでの出来事には、伝説として誇張されて伝わっているものもあります。
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第一部日本のアンダーグラウンド
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水谷孝を中心に京都で結成されたバンド。轟音のフィードバックに覆われた演奏と、公式の録音をほとんど残さなかったことで、海賊盤と噂だけが広まる伝説的な存在になった。
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チャー坊こと柴田和志と山口冨士夫らの京都のロックバンド。日本語の荒々しい歌と、客席を挑発する演奏で知られ、生前に残した公式作品はライブ盤ひとつだけだった。
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PANTAとTOSHIの二人組。過激な政治的歌詞のため、1972年に出るはずだったファースト・アルバムは発売中止になり、セカンドも発売後まもなく回収された。
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黒い服と長い髪、サングラス姿で、ギター、声、打楽器、民族楽器を即興で鳴らし続ける音楽家。バンド「不失者」を率い、世界の実験音楽の場で敬意を集めている。
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灰野敬二が率いるバンド。轟音と沈黙が極端に行き来する演奏で、日本のアンダーグラウンドの伝説的な存在になった。
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JOJO広重らが結成したノイズ・バンド。初期のライブでは、生ゴミや汚物を撒き散らす過激な演出が伝説になり、出入り禁止になった会場もあった。
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秋田昌美によるノイズ・プロジェクト。名はクルト・シュヴィッタースの作品から取られた。途切れない轟音の作品を数百枚も発表し、「ジャパノイズ」の代名詞として海外で知られる。
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のちにボアダムスを率いる山塚アイのユニット。ライブハウスの壁をショベルカーで壊すなど、観客にも危険の及ぶ破壊的なパフォーマンスで知られ、出演を断られる会場が相次いだ。
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山塚アイ(EYE)を中心とする大阪のバンド。叫びとノイズのパンクから出発し、のちに大勢のドラマーが円になって叩く祝祭的な演奏へ変わっていった。海外のオルタナティブ・ロックにも大きな影響を与えた。
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遠藤ミチロウが率いたパンク・バンド。ステージで豚の頭や臓物を客席に投げ込み、全裸になるなどの過激な演出で騒ぎを呼んだ。
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江戸アケミが率いた大所帯のバンド。初期は流血をともなう過激なライブで知られ、のちにファンクやアフロビートを取り込んだ踊れる音楽へ向かった。1990年、江戸アケミの急死で活動を終えた。
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ゲルニカやヤプーズで歌った歌手・女優。少女、胎児、昆虫などに扮した強烈な演出と、「蛹化の女」「玉姫様」などの歌で、1980年代のサブカルチャーの象徴になった。
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戸川純、上野耕路、太田螢一の三人のグループ。戦前の歌謡曲やオペレッタ風の音楽を作り、細野晴臣のレーベルからデビューした。
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有頂天のケラ(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)が作ったインディーズ・レーベル。筋肉少女帯、人生(のちの電気グルーヴの前身)、たまなど、奇妙で愉快なバンドを送り出した。
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テレビ番組『三宅裕司のいかすバンド天国』から現れ、「さよなら人類」(1990年)が大ヒットした。ランニングシャツに桶を叩く打楽器、童謡のようで不気味な歌詞という姿は、お茶の間を不思議な気分にさせた。
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大槻ケンヂが率いるバンド。ナゴム・レコードから出発し、オカルトや猟奇、少年の妄想を詰め込んだ歌詞と、プログレッシブ・ロックのような演奏で熱狂的な支持を得た。
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ケラが率いたバンド。ナゴム・レコードの中心で、ひねくれた歌詞とポップな曲でインディーズ・ブームの先頭に立った。
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江戸川乱歩の小説から名を取ったハードロック・バンド。1989年に『いかすバンド天国』に出演して注目され、文学や怪奇、津軽の言葉を歌詞にした重い演奏を続けている。
第二部ノイズと実験
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イタリア未来派の画家ルッソロが、機械の時代には騒音こそが音楽の材料になると唱えた宣言。自ら「イントナルモーリ」という騒音発生装置を作り、演奏会を開いた。ノイズ音楽の祖とされる。
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ルイジ・ルッソロが作った騒音を出す楽器。箱の中の弦をハンドルで回して鳴らし、唸り、軋み、破裂音などを出した。本物はほとんど失われ、のちに復元された。
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ピエール・シェフェールが、録音した汽車や物音をレコードの上で切り貼りし、音楽として組み立てた手法。楽器も楽譜も使わない作曲は、サンプリングの先駆けになった。
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偶然や沈黙を音楽に取り入れた作曲家。易経を使って音を決め、「あらゆる音は音楽になりうる」と考えた。キノコの研究家としても知られる。
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ピアノの弦のあいだにネジやボルト、ゴムなどを挟んで、打楽器のような音に変えたもの。ケージが舞踊のための曲『バッカナール』で初めて使った。
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「できるだけゆっくり」と指示された曲を、ドイツのハルバーシュタットの教会で639年かけて演奏している。和音が変わる日には、それを聞きに人が集まる。
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演奏者が楽器の前で一音も鳴らさずに過ごす、三つの楽章からなる曲。聴こえてくるのは、客席のざわめきや外の物音だけ。沈黙は存在しないことを示した作品として知られる。
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四人の弦楽器奏者がそれぞれ別のヘリコプターに乗り込み、空を飛びながら演奏する曲。その音と映像は地上の会場に中継され、ローターの轟音と混ざり合って聴衆に届けられた。
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1オクターブを43の音に分ける独自の音律を考え、それを鳴らすための楽器を自分で作り続けた作曲家。ガラスの瓶や電球を吊るしたもの、巨大な木琴など、楽器そのものが彫刻のようだった。
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人間には弾けない速さと複雑さの曲を、自動ピアノのロール紙に一穴ずつ穴を開けて作曲した人。メキシコシティの自宅でひとり、数十年にわたって『自動ピアノのための習作』を書き続けた。
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ジェネシス・P・オリッジらのパフォーマンス集団から生まれたバンド。自らのレーベル「インダストリアル・レコード」の名から、「インダストリアル・ミュージック」という言葉が生まれた。
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スロッビング・グリッスルが自分たちのレーベル「インダストリアル・レコード」の名から広めた呼び名。工場の騒音、テープの反復、不穏な映像や思想を持ち込んだ音楽を指す。
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バンド名は「崩壊する新築建築」の意。鉄板、ドリル、電動工具、高速道路の下の反響までを楽器にして演奏した。
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巨大な目玉のマスクとシルクハット姿で知られる匿名のバンド。メンバーの素顔と名前は公表されないまま、50年以上にわたって奇怪なアルバムを出し続けている。
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イギリスのバンド、ナース・ウィズ・ウーンドがデビュー盤に付けた、影響を受けた無名の音楽家たちの一覧。のちに実験音楽の収集家たちにとって、宝の地図のように扱われた。
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1980〜90年代の企業CMやエレベーター音楽、古いパソコンの画面を切り取り、ゆっくり引き伸ばして流すネット発の音楽ジャンル。ギリシャ彫刻の胸像や、ピンクと水色の画面がお決まりの意匠になった。
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Macintosh Plus名義で出されたアルバム。1980年代のポップスを遅く引き伸ばした曲と、ギリシャ彫刻の頭部を置いたジャケットで、ヴェイパーウェイヴを象徴する作品になった。
第三部誰にも似ていない人たち
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自分は土星から来たと語り、エジプト風の衣装をまとったジャズ・ミュージシャン。楽団「アーケストラ」を率いて宇宙と神話を歌い、電子楽器もいち早く取り入れた。
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サン・ラが率いたビッグバンド。古代エジプト風の衣装で宇宙の音楽を奏でた。サン・ラの死後も、メンバーが引き継いで演奏を続けている。
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盲目の音楽家ルイス・ハーディン。ヴァイキングの兜をかぶってニューヨークの6番街の角に立ち、自作の楽器で演奏した。独自の対位法による作品は、のちのミニマル音楽の作曲家たちに敬われた。
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ドン・ヴァン・ヴリートの芸名。フランク・ザッパの制作で出した『トラウト・マスク・レプリカ』(1969年)は、ブルースをばらばらに組み直したような演奏で、聴く者を困惑させながら後世の音楽家たちに崇められた。
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フランク・ザッパのプロデュースで出た2枚組のアルバム。バラバラに聞こえる演奏は、実は長い合宿で細かく作り込まれていた。ロックの歴史に残る問題作とされる。
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父親の命令でバンドを組まされた三姉妹。リズムも音程もそろわないまま録音されたアルバム『Philosophy of the World』(1969年)は、のちに「最悪にして無垢」な名盤として再評価された。
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自宅でカセットテープに歌を録音し、手描きのジャケットで配った歌手。カート・コバーンが彼の絵のTシャツを着ていたことで広く知られた。心の病を抱えながら、無垢な歌を作り続けた。
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テキサスの「コーウッド・インダストリーズ」から、調律の狂ったギターと呟くような歌のアルバムを70枚以上出し続けている謎の人物。長くインタビューも写真もほとんどなく、正体は伏せられてきた。
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ウクレレを弾きながら、裏声で古い流行歌を歌った歌手。「Tiptoe Through the Tulips」(1968年)がヒットし、テレビ番組の生放送で行った結婚式は大きな話題になった。
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ロサンゼルスの路上で、10セントで自作の歌を歌っていた人。フランク・ザッパに見いだされてアルバムを出し、アウトサイダー音楽の代表的な存在になった。
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サブカル辞典
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