妖精は、もとは可愛らしい羽のある小人ではありませんでした。丘の下や水の底に住み、人をさらい、赤ん坊を取り替え、機嫌を損ねると家畜を病気にする、油断のならない隣人でした。ここでは、ブリテン諸島と北欧を中心に、世界各地の妖精や精霊の伝承と、それを描き、集めた人々を並べました。二人の少女の写真で知られるコティングリー妖精事件は「オカルト」の分類に載せています。
伝承・民話として紹介しています。同じ妖精でも土地や時代によって姿や性質が大きく違い、ここに書いたのはその代表的なものです。
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第一部妖精の国のしきたり
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ラテン語の「運命(ファトゥム)」から、運命を司る女神「ファタ」を経て生まれた言葉。アイルランドやスコットランドでは名前を呼ぶのを避け、「良い人たち」「丘の人たち」と遠回しに呼んだ。
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アイルランドの妖精の一族。古い神々が、あとから来た人間に地上を譲り、丘や塚の下の国に移り住んだ姿だと伝えられる。「シー」はもともと、その塚のことを指す。
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スコットランドの伝承で、妖精を二つの宮廷に分ける考え方。シーリー・コートは礼を尽くせば恩を返すが、アンシーリー・コートは夜に群れで飛び回り、人に害をなすとされた。
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妖精が人間の赤ん坊をさらい、代わりに妖精の子や木の人形を置いていくという伝承。急に泣き止まなくなった子や、育ちの遅い子がそう疑われた。
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病気になった妻を「妖精に取り替えられた偽物だ」と信じた夫が、親族とともに問い詰め、焼き殺してしまった事件。夫は過失致死で有罪になった。「あなたは魔女なのか、妖精なのか」という童歌が残っている。
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草地に、キノコが円く並んで生える現象。妖精が夜に輪になって踊った跡とされ、中に入ると妖精の国に連れて行かれる、一晩踊ったつもりが何十年も経っていた、などと伝えられた。実際は地中に広がる菌糸によるもの。
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アイルランドの田園に数多く残る、古代の円形の土塁の跡。妖精の住みかとして恐れられ、壊すと不幸が起きると信じられた。そのため道路工事が迂回したり、手つかずのまま残されたりしてきた。
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人や家畜が急に病気になるのは、目に見えない妖精の矢に射られたからだという考え。畑から出てくる石器時代の矢じりが、その矢だと信じられ、お守りにされた。
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妖精は鉄に触れられないと言われ、揺りかごに鋏を置いたり、戸口に蹄鉄を打ちつけたりして身を守った。鉄器を持った人々が石器の先住民を追いやった記憶だという説もある。
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妖精の国で出された食べ物や飲み物を口にすると、二度と人間の世界に戻れなくなるという決まり。ギリシア神話で冥界のザクロを食べたペルセポネの話とよく似ている。
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実在の詩人トマス・オブ・アーセルドゥーン。妖精の女王に連れられて妖精の国で7年を過ごし、嘘のつけない舌と予言の力を授かって戻ったと伝えられ、バラッドに歌われた。
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嵐の夜、猟犬を連れた亡霊や妖精の騎馬の群れが空を駆けていくという伝承。見た者は死ぬ、連れて行かれるなどと言われた。先頭に立つのは、オーディン、アーサー王など土地によって違う。
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妖精の子の出産に呼ばれた人間の産婆が、赤ん坊に塗る薬をうっかり自分の目につけたところ、妖精の本当の姿が見えるようになる話。市場で妖精に声をかけると、その目を潰されてしまう。
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妖精の砦と砦のあいだを結ぶ、目に見えない通り道。道の上に家を建てると、病気や不運が続くと信じられた。いまも道路工事の計画が妖精の木を避けて変えられた例がある。
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西の海の彼方にある常若の国。英雄オシーンは妖精の女王ニアヴに誘われてこの国へ渡り、三年ほど過ごしたつもりで故郷へ戻ると、三百年がたっていた。馬から落ちて地面に触れた途端、老人になった。
第二部ブリテン諸島の妖精
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「塚の女」という意味。古い家系の誰かが死ぬ前に、家の外で泣き叫ぶ女の妖精。長い髪をとかしているとも、川で死ぬ人の服を洗っているとも言われる。
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片方だけの靴を作り続ける、小さな老人の姿の妖精。金の壺を隠していて、捕まえて目を離さなければ在りかを教えるが、一瞬でも目をそらすと消える。今はアイルランドの観光の顔になっている。
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夜のうちに家の仕事を片づけてくれる、茶色い服の小さな妖精。お礼にミルクやお粥を置くのはよいが、服を贈ると出て行ってしまうとされる。ガールスカウトの年少部門の名前にもなった。
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家に住みついて、物を隠したり子どもをつねったりするいたずら好きの妖精。引っ越しても荷物に紛れてついてくるという話が有名。
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「悪い子のところに来る」と子どもを脅すときに持ち出される、姿の決まらない怪物。ボギー、ボガートと同じ系統の言葉。
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コーンウォールやデヴォンの荒野に住む小さな妖精。旅人を道に迷わせることを「ピクシーに導かれる」と言い、上着を裏返しに着ると術が解けるとされた。
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ロビン・グッドフェローとも呼ばれる、いたずら好きの妖精。シェイクスピアの『夏の夜の夢』で、惚れ薬を取り違えて恋人たちを混乱させる役として有名になった。
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『夏の夜の夢』に登場する妖精の王と女王。夫婦喧嘩の仕返しに、王は眠る女王に惚れ薬を使い、女王はロバの頭の職人に恋してしまう。
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『ロミオとジュリエット』の台詞に出てくる、眠る人の鼻の上を小さな馬車で走り、夢を見せる妖精。のちにシェリーが同名の長詩を書いた。
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廃墟の城に住む、殺した旅人の血で帽子を赤く染める老人の姿の妖精。帽子の色が褪せると死ぬので、殺し続けなければならないという。
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水辺に現れる美しい馬の姿の水の精。背にまたがると体がくっついて離れなくなり、そのまま水の底へ引きずり込まれる。
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アザラシの皮を脱いで人の姿になる海の民。浜辺で皮を隠された女は人間の妻になるが、何年経っても、皮を見つけると海へ帰ってしまう。
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黒い馬、山羊、うさぎなどに姿を変える妖精。夜道で人を背中に乗せて振り回す。11月1日以降の野いちごはプーカが唾を吐いたので食べてはいけないと言われる。
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自分の首を小脇に抱えて黒い馬に乗る、首なしの騎手。死ぬ人の家の前で止まり、その名を呼ぶ。金の物を恐れるとされる。
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詩人や芸術家に霊感を与える代わりに、その命を吸い取る妖精の恋人。彼女に愛された詩人は、天才を得て若くして死ぬ。
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沼地の夜にゆらめく青白い火。追いかけた旅人を沼に誘い込むとされた。ジャック・オ・ランタンとも呼ばれる。沼から出るガスが燃えているという説明が古くからある。
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鉱山の坑道に住む小人。壁を叩く音で良い鉱脈の場所や落盤を知らせるとされ、鉱夫は弁当の一部を残してお礼にした。アメリカに渡った鉱夫たちは「トミーノッカー」と呼んだ。
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家や農場に住みつく、毛深く小さな妖精。気のいい手伝いもするが、からかわれると悪さをする。のちには、ひどく恐ろしい化け物を指す言葉にもなった。
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浮き草に覆われた池の底に潜み、岸に近づいた子どもを水の中へ引きずり込む緑の歯の老婆。子どもを水辺から遠ざけるための脅しとして語られた。
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ヘブリディーズ諸島の海峡に棲む、青い肌の海の男たち。船を見つけると呼びかけて詩の掛け合いを挑み、船長が即座に言い返せないと船を沈めるという。
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下半身が山羊で、緑の衣を長く垂らして隠している女の妖精。家畜の番をしてくれる守り神だが、旅人を誘って血を吸う恐ろしい者としても語られる。
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ウェールズ語で「美しい一族」を意味する、金髪の妖精たち。湖の底の国や丘の下に住み、人間の子を連れ去ったり、踊りの輪に引き込んだりする。
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尻尾のある黒い小鬼が、糸紡ぎをする娘を助ける代わりに、自分の名前を当てられなければ娘をもらうと約束する話。ドイツの「ルンペルシュティルツヒェン」と同じ型の昔話。
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青い顔と鉄の爪を持ち、丘の洞穴に住んで子どもをさらって食べるという老婆。皮をはいで腰に巻いていたと語られる。洞穴の跡とされる場所が近代まで残っていた。
第三部北の国と大陸の妖精
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北欧神話では「アールヴ」と呼ばれ、光のエルフと闇のエルフがいるとされた。ゲルマンの伝承では人を病気にする厄介な存在でもあった。背の高い気高い種族という今の姿は、トールキンの小説が決定づけた。
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地下に住む、鍛冶の腕に優れた小人。北欧神話では、トールのハンマーやオーディンの槍を鍛えた。日光を浴びると石になるとされる。
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山や森に住む大きく醜い者として語られることが多いが、地域によっては小さな姿でも語られる。ノルウェーでは、奇妙な形の岩や山がトロルが石になったものだと言われる。
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農家の納屋に住む、赤い帽子の小さな老人。家畜の世話をしてくれるが、クリスマスにバターを乗せたお粥を出し忘れると大暴れする。今は北欧のクリスマスの飾りの定番。
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家や鉱山に住む精霊。鉱山のコボルトは、銀に見えて役に立たない鉱石にすり替えるいたずらをするとされ、元素「コバルト」の名前の由来になった。
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川や湖に住む水の精。美しい歌やヴァイオリンで人を水辺に誘い、溺れさせる。
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ライン川の難所にそびえる岩。岩の上で金の髪をとかしながら歌う乙女に見とれた舟人が、岩に当たって沈むという話は、19世紀に詩人ブレンターノが作り、ハイネの詩で広まった。
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森に住む美しい女の妖精。前から見ると人間の女性だが、後ろ姿は牛の尻尾が生えていたり、背中が木の洞のように空っぽだったりする。
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アイスランドの岩の中に住むとされる、人間そっくりの見えない人々。今も信じる人が少なくなく、道路の建設で住みかとされる岩を動かすことに反対運動が起きたこともある。
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土曜日になると下半身が蛇になる水の精。領主と結婚し、土曜日の姿を見ないという約束が破られて、竜になって飛び去った。リュジニャン家の始祖とされる。
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水辺に住む、若くして死んだ娘の霊とされる水の精。初夏に水から出て木の枝で揺れ、人をくすぐり殺すとも言われた。ドヴォルザークのオペラの題材になった。
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暖炉の裏に住む家の精。家族を見守るが、引っ越すときは古い家の炉の火や靴を持って行って迎え入れないと、家が荒れるとされた。
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森の主。木と同じ背丈になったり草の丈になったりし、旅人を道に迷わせる。服を裏返しに着れば術が解けるという。
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錬金術師パラケルススが、地水火風の四元素それぞれに住む精霊を論じたもの。地のノーム、水のウンディーネ、風のシルフ、火のサラマンダー。のちの物語やゲームの精霊の原型になった。
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魂を持たない水の精が、人間と結婚すると魂を得るという話。フケーの小説『ウンディーネ』で広まり、夫が裏切ると夫は死ななければならないという結末は、多くの作品に受け継がれた。
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地中を自由に動く地の精。19世紀のドイツで陶器の人形が作られ、とんがり帽子の庭の置物「ガーデン・ノーム」として世界中に広まった。
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山や森や雲に住む、長い髪の美しい女の精。英雄を助けて戦いの勝利を授けることもあれば、踊りの輪を邪魔した者を矢で射殺すこともある。
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川や池の底に住む水の主。緑の髭を生やした老人やカエルの顔の男の姿で現れる。水車小屋を嫌い、溺れた人を自分の召使いにすると言われた。
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家の暖炉の裏などに住む女の精。家が荒れていると夜中に糸を紡いだり物音を立てたりして住人を悩ませる。姿を見ると不幸が起きるとも言われた。
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泉や巨石のまわりで夜に踊る小さな精霊。昼は醜く、夜は美しいとも言われる。踊りに誘われた人間は、朝まで休ませてもらえない。
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家や厩に住みつくいたずら好きの小さな精。夜のうちに馬のたてがみを編んで絡ませる。優しくされれば家事を手伝ってくれる、フランス版のブラウニー。
第四部世界の精霊
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煙のない火から作られたとされる、人の目に見えない存在。イスラム以前からのアラビアの信仰で、コーランにも登場する。『千夜一夜物語』のランプや壺の魔神として知られる。
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ペルシアの伝承の、翼を持つ美しい精霊。もとは悪しき存在だったが、のちに善良な妖精として語られるようになった。
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インド神話の天界の踊り子で、水と雲の精。アンコール・ワットの壁には、多くのアプサラスが彫られている。
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山や森に住む精霊。自然の恵みを守り、人が森を荒らすと罰を与えるとされる。
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ガジュマルなどの古い木に住む、赤い髪の子どもの姿の精霊。漁が得意で、仲良くなると魚をくれるが、魚の目玉だけ食べるとも言われる。蛸と屁が嫌い。
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アイヌの伝承に出てくる、蕗の葉の下に住む小人。姿を見せずに人に食べ物を届けていたが、無理に姿を見ようとした人間のせいで去ったと伝わる。佐藤さとるの童話『だれも知らない小さな国』で広く知られた。
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古い木に宿る精霊。山で声がはね返ってくるのは木霊が答えているからだと考えられた。木を伐る前には祈りを捧げた。
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水浴びをしていた天女の羽衣を男が隠し、天に帰れなくなった天女が男の妻になる話。やがて羽衣を見つけて空へ帰っていく。静岡の三保の松原の話が有名で、能『羽衣』になった。セルキーの話とよく似ている。
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家の壁の中や森に住む小人の精。スペイン語で「家の主」を意味する言葉に由来する。フラメンコでは、歌い手や踊り手に取りつく魔的な霊感のことも「ドゥエンデ」と呼ぶ。
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森の奥に住む小人の一族。夜のうちに養魚池や神殿を一晩で築き上げたと語られ、カウアイ島にはメネフネが造ったという石垣の池が残っている。
第五部妖精を描き、集めた人々
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ヴィクトリア朝のイギリスで流行した、妖精を細密に描く絵画。シェイクスピアの妖精の場面や、夢の中の妖精の宴が好んで描かれた。科学と産業の時代に対する、失われた世界への郷愁とも言われる。
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眠る人のまわりで、奇怪な妖精や小鬼が騒ぐ夢の場面を繰り返し描いた画家。阿片の幻覚を思わせる絵として知られる。
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『夏の夜の夢』のオベロンとティターニアの場面を、何百もの妖精で埋め尽くして描いた画家。
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1923年から続いた『フラワー・フェアリーズ』の画家。花ごとに、その花の服を着た子どもの妖精を描いた。近所の幼稚園の子どもたちをモデルにした。
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小鬼たちが売る果物を食べてしまった妹を、姉が救いに行く長詩。甘美で不気味な言葉づかいから、様々な読み方をされてきた。
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詩人イェイツが、アイルランドの農民から聞き集めた妖精や幽霊の話をまとめた本。アイルランド文芸復興の出発点の一つになった。
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イギリスの民俗学者キャサリン・ブリッグズが、ブリテン諸島の妖精を網羅した事典。妖精研究の基本文献で、日本語訳も出ている。
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アラン・リーとの画集『フェアリー』(1978年)で、苔と根と皺だらけの、野生の妖精の姿を描いた。映画『ダーククリスタル』『ラビリンス』のデザインも手がけた。
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『ピーター・パン』の妖精。舞台では光で表された。死にかけた彼女を救うため、ピーターが観客に「妖精を信じるなら手を叩いて」と呼びかける場面がある。のちのディズニー映画で、羽のある小さな妖精の姿が決定づけられた。
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ケルトと妖精の研究者。妖精に関する本を数多く書き、翻訳した。集めた資料をもとに、栃木県にうつのみや妖精ミュージアムが開かれた。
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ギレルモ・デル・トロ監督。内戦後のスペインで、少女が迷宮の番人パンに導かれ、三つの試練に挑む。掌に目玉のある「ペイルマン」など、昔話の妖精の恐ろしさを取り戻した映画として評価された。
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スコットランドの牧師。妖精とその暮らしを聞き書きした『秘密の共和国』を残した。妖精の丘を散歩中に倒れて死んだが、村では「妖精の国に連れ去られた」と信じられた。
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詩人。「風の山を越え、い草の谷を下り」と始まる詩「妖精たち」で知られる。リチャード・ドイルの絵と組んだ絵本『妖精の国で』も作った。
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スザンナ・クラークの長編小説。ナポレオン戦争の時代のイングランドに英国魔術を復活させる二人の魔術師と、人間をさらう危険な妖精の紳士を、架空の脚注を付けた19世紀風の文体で描いた。
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