「モンスター」の語源はラテン語の「モンストルム」で、神々からの警告や、見せつけるもの、を意味していました。人は、恐れているものや理解できないものに形を与えて怪物を作ってきました。ここでは、神話と伝説の獣、中世の地図の端に描かれた人々、夜の怪物、小説と映画が生んだ怪物、東洋の妖獣を並べました。ゴーレムや日本の妖怪の多くは「オカルト」、ゾンビや、実在の人物の吸血鬼伝説は他の分類に載せています。
伝説・創作上の存在として紹介しています。作品の年は最初に発表または公開された年です。
98語
第一部神話と伝説の獣
-
翼を持ち火を吐く大蛇。ヨーロッパでは退治される悪として、聖ゲオルギウスや英雄ジークフリートに倒される。中国の龍は雨を呼ぶ神聖な存在で、同じ「竜」でも意味が正反対になる。
-
亀の甲羅と六本の脚を持つ竜。聖女マルタが聖水で鎮めたと伝わり、今もタラスコンの町では張りぼてのタラスクが練り歩く祭りが行われる。
-
額に宝石の目を持つ、翼のある蛇。水を飲むときに宝石を外すので、その隙に盗めば大金持ちになれるという。
-
鷲の頭と翼、ライオンの体を持つ獣。黄金を守るとされた。中央アジアの砂漠で見つかった恐竜プロトケラトプスの化石が、伝説のもとになったという説がある。
-
ライオンの頭、山羊の胴、蛇の尾を持ち、火を吐く怪物。今では、違う生物の組織が混ざった生き物や、あり得ない空想そのものを「キメラ」と呼ぶ。
-
髪が蛇になっている怪物ゴルゴン三姉妹の一人で、その目を見た者は石になる。英雄ペルセウスに首を切られ、首は女神アテナの盾に飾られた。
-
牛の頭を持つ人間。クレタ島の迷宮ラビュリントスに閉じ込められ、毎年差し出される若者を食べた。英雄テセウスが糸玉を頼りに迷宮に入り、倒した。
-
沼に住む九つの頭を持つ大蛇。首を一つ切ると二つ生えてくるため、ヘラクレスは切り口を松明で焼いて倒した。
-
冥界の門を守る、三つの頭を持つ番犬。死者が出て行かないように見張る。オルフェウスは竪琴で眠らせ、ヘラクレスは素手で地上に引きずり出した。
-
人の頭とライオンの体を持つ怪物。ギリシア神話では、テーバイの町の前で「朝は四本足、昼は二本足、夕方は三本足のものは何か」と謎をかけ、答えられない者を食べた。
-
美しい歌声で船乗りを惑わせ、岩場に座礁させる怪物。もとは鳥の体に女の顔を持つ姿だったが、中世以降、人魚の姿で描かれるようになった。オデュッセウスは体を帆柱に縛りつけて歌を聴いた。
-
狭い海峡の両側にいる二つの怪物。片方は六つの犬の頭で船乗りを食べ、もう片方は海水を飲み込んで大渦を作る。「二つの災いの間」という意味のことわざになった。
-
北の海に住む、島と見間違えるほど巨大な怪物。18世紀の司教ポントピダンが紹介して広まった。ダイオウイカの目撃がもとになったと考えられている。
-
海に住む巨大な怪物。陸のベヘモット、空のジズとともに神が作ったとされる。哲学者ホッブズは、国家をこの怪物にたとえた本を書いた。
-
見るだけで相手を殺す、蛇の王。中世には雄鶏が産んだ卵を蛇が温めて生まれるとされ、よく似た「コカトリス」と混ざっていった。鏡で自分の姿を見せると死ぬという。
-
人の顔、ライオンの体、サソリの尾を持ち、三列に並んだ歯で人を食べる。ペルシア語の「人食い」が名前の由来。
-
額に一本の角を持つ白い馬。乙女にだけなつくとされた。角は毒を消すと信じられ高値で取引されたが、実際に売られていたのは海の生き物イッカクの牙だった。
-
数百年ごとに自ら炎に飛び込み、灰の中からよみがえる鳥。不死と再生の象徴になった。
-
『ギルガメシュ叙事詩』に登場する、杉の森の番人の怪物。英雄ギルガメシュとエンキドゥに倒される。その顔は腸を渦巻かせたような形で描かれ、占いの道具にもなった。
-
女の顔と鳥の体を持つ怪物。英語でハーピー。盲目の予言者ピネウスの食卓に舞い降りて食べ物を奪い、残りを汚した。アルゴ号の英雄たちに追い払われた。
-
上半身が人間、下半身が馬の種族。酒に酔って婚礼で暴れるなど荒くれ者として描かれるが、英雄たちの師となった賢者ケイロンもいる。
-
雄鶏の産んだ卵をヘビやヒキガエルが温めて孵るという、鶏と蛇を合わせた怪物。見ただけで人を殺すと言われ、バジリスクと混同された。退治するには鏡かイタチを使う。
-
上半身が鷲、下半身が馬の怪物。グリフォンと雌馬のあいだに生まれるとされた。ルドヴィーコ・アリオストの叙事詩『狂えるオルランド』で、騎士を乗せて世界の果てまで飛んだ。
-
教会の屋根から雨水を吐き出す、怪物の形の樋口。フランス語の「喉」が語源。ルーアンの町を荒らした竜ガルグイユの首を飾ったのが始まりだという伝説がある。のちに夜になると動き出す石の魔物として物語にも出てくる。
-
『ヨブ記』に出てくる陸の巨獣。「その骨は青銅の管」と描かれる。海のリヴァイアサンと対になり、のちの悪魔学では大食をつかさどる悪魔にもなった。
-
ゼウスに愛されたためにヘラに子を殺され、他人の子をさらって食べる怪物になったリビアの女王。のちには上半身が女で下半身が蛇の姿で描かれ、キーツの詩『レイミア』にもなった。
-
ペルセウスがメドゥーサの首を切り落としたとき、その血から生まれた翼のある馬。英雄ベレロポンを乗せて怪物キマイラを退治した。蹄で蹴った地面からは詩の泉が湧いた。
第二部地図の端の人々
-
大プリニウスの『博物誌』などに書かれ、中世の地図の端や旅行記に描かれた、遠い国に住む奇妙な人々。知らない世界への恐れと好奇心が形になったもの。
-
頭がなく、胸に目と口がついている人々。
-
犬の頭を持ち、吠えて話す人々。東方正教会には、犬の頭で描かれる聖クリストフォロスのイコンがある。
-
一本の巨大な足を持つ人々。暑い日には、足を傘のように頭の上にかざして日陰を作る。
-
足元まで届く大きな耳を持つ人々。寝るときは、片方の耳を敷き布団に、もう片方を掛け布団にする。
-
東方を旅した騎士の見聞録として大人気になった本。怪物的種族や驚異がたくさん書かれているが、ほとんどが他の本からの寄せ集めで、著者が実在したかも分かっていない。コロンブスも読んでいたという。
-
中央アジアに生えるとされた、実から羊が生まれる植物。羊は茎につながったまま周りの草を食べ、食べ尽くすと死ぬ。綿花を見たことのないヨーロッパ人の想像とされる。
-
スウェーデンの聖職者オラウス・マグヌスが描いた北欧の地図。海には、船を襲う巨大な海蛇、鯨の背を島と間違えて錨を下ろす船乗りなど、たくさんの怪物が描き込まれている。
-
インドのガンジス川の源近くに住むという、口のない人々。食べ物をとらず、花や果物の匂いだけで生きている。強い悪臭を吸うと死んでしまう。プリニウスが『博物誌』に書き留めた。
-
世界の終わりに攻めてくるとされる北方の蛮族。アレクサンドロス大王が山の間に鉄の門を築いて閉じ込めたという伝説と結びつき、中世の世界地図の東北の端に描かれた。
第三部夜の怪物
-
夜に墓から起き上がり、生きている人の血を吸う死者。東欧の民間伝承では、膨れた赤ら顔の農民のような姿だった。18世紀に東欧の吸血鬼騒ぎが西ヨーロッパに伝わり、19世紀の小説で貴族の姿に生まれ変わった。
-
英語で書かれた最初の吸血鬼小説とされる短編。バイロンの主治医ポリドリが書き、洗練された貴族の吸血鬼という型を作った。ディオダティ荘の怪談会から生まれた。
-
孤独な少女の前に現れた美しい娘が、実は吸血鬼だったという中編小説。女性の吸血鬼と少女の親密な関係を描き、『ドラキュラ』より先に発表された。
-
日記と手紙を積み重ねて語られる、トランシルヴァニアの伯爵がロンドンにやって来る小説。名前をワラキアのヴラド3世から借りた。ニンニク、十字架、鏡に映らないといった吸血鬼の決まりごとはこの本で定着した。
-
『ドラキュラ』を無断で映画化したドイツ映画。ストーカーの未亡人に訴えられ、フィルムを全て処分するよう命じられたが、残ったプリントが生き延びた。禿頭で鼠のような吸血鬼オルロック伯爵の姿は、今も繰り返し引用される。
-
家族の中で結核が次々に広がると、先に死んだ者が墓から家族の命を吸っていると考えられ、遺体を掘り起こして心臓を焼いた。1892年のマーシー・ブラウンの事件が最後の例として知られる。
-
ルーマニアの伝承の、墓から出てくる死者や、魂が抜け出して夜に飛び回る生者。吸血鬼の原型の一つ。
-
満月の夜に狼に変わる人間。16世紀から17世紀のフランスやドイツでは、人狼として裁判にかけられ、処刑された人々がいた。銀の弾丸で倒せるという決まりは、のちの小説や映画が広めたもの。
-
子どもたちを襲って食べたとして、人狼として火刑にされた男。「フランスのドールの人狼」と呼ばれた。
-
ロン・チェイニー・ジュニア主演。銀の杖で倒される結末など、今の狼男の決まりごとの多くは、この映画と続編で定着した。
-
アルゴンキン語族の人々に伝わる、冬の森の飢えた霊。人を食べた者がこれになるとされ、欲望と飢えへの戒めの意味を持つ。今はホラー作品で鹿の骨の頭の怪物として描かれることが多いが、本来の伝承とは違う。
-
砂漠に住み、墓を暴いて死体を食べる怪物。姿を変えて旅人を誘い込む。『千夜一夜物語』の翻訳で西洋に伝わった。
-
森の奥の、鶏の脚の上に建った小屋に住む老婆。臼に乗って空を飛ぶ。子どもを食べる魔女だが、正しく頼めば主人公を助けることもある。
-
「泣く女」。自分の子どもを川で溺れさせてしまった女の霊で、夜の水辺で「ああ、私の子どもたち」と泣きながら子どもを探し歩く。
-
馬と人が一体になった海の悪魔。皮膚がなく、黒い血管と赤い筋肉がむき出しになっている。その息は作物を枯らし、疫病を広めるという。
-
夜道や教会の墓地に現れる、目の赤い大きな黒い犬。見た者に死が訪れる前触れとされる。1577年、嵐の中で教会に現れて人を殺したというブライスバラの話が有名。
-
短編『スリーピー・ホロウの伝説』で、夜の森で教師イカボッドを追いかける、首のない騎士。独立戦争で首を砲弾で飛ばされた兵士の幽霊とされる。
-
先住民マプチェの伝承に出てくる、人の頭だけが耳を翼のように羽ばたかせて夜空を飛ぶ怪物。正体は魔術師で、病人の血を吸う。「トゥエ・トゥエ」という不吉な鳴き声がする。
第四部小説から生まれた怪物
-
若き科学者ヴィクター・フランケンシュタインが死体をつなぎ合わせて命を与えるが、生まれた怪物のあまりの醜さに逃げ出してしまう小説。怪物には名前がない。のちに怪物そのものが「フランケンシュタイン」と呼ばれるようになった。
-
火山の噴火で夏の来なかった年、ジュネーヴ湖畔の別荘に閉じこもったバイロン、シェリー夫妻、ポリドリが、それぞれ怪談を書こうと約束した。ここから『フランケンシュタイン』と『吸血鬼』が生まれた。
-
1931年の映画『フランケンシュタイン』で怪物を演じた俳優。平らな頭、首のボルト、緑がかった肌の姿は、メイクアップのジャック・ピアースが作り出し、今の怪物のイメージを決定づけた。
-
善良な博士が、薬で自分の中の悪の部分を切り離し、別人ハイドとして夜の街をさまよう小説。「二重人格」の代名詞になった。
-
南の島で、動物を外科手術で人間に作り変える博士の話。獣人たちは「掟」を唱えて人間らしく振る舞おうとするが、少しずつ獣に戻っていく。
-
パリのオペラ座の地下に住む、仮面をつけた天才音楽家の話。1925年の映画でロン・チェイニーが自分で作った骸骨のような素顔は、上映中に観客が気絶したと宣伝された。
-
寂れた港町の住民が、海の底の半魚人「深きもの」と血を交えていたという中編。住民の顔つきの「インスマス面」という言葉を生んだ。
-
美しい青年の代わりに、肖像画の方が年を取り、罪を重ねるごとに醜くなっていく小説。最後に青年が肖像画をナイフで刺すと、死んだのは青年の方だった。
-
H・G・ウェルズの小説。自分の体を透明にする薬を発明した科学者グリフィンが、元に戻れなくなって孤立し、狂気と暴力に走っていく。包帯と黒眼鏡の姿は1933年のユニバーサル映画で定着した。
-
H・G・ウェルズの小説で、ロンドン近郊に降り立ち、三本脚の戦闘機械で人間を焼き払った火星人。頭と触手だけの姿で描かれ、「タコ型の火星人」の原型になった。1938年のラジオドラマは本物のニュースと思った聴取者を驚かせた。
第五部銀幕の怪物と怪獣
-
ユニバーサル映画が作ったホラー映画の一群。ドラキュラ、フランケンシュタインの怪物、ミイラ男、狼男、透明人間、半魚人などが次々に作られ、互いに共演もした。
-
1931年の映画『魔人ドラキュラ』でドラキュラ伯爵を演じた俳優。訛りのある話し方とマントの姿が、そのまま吸血鬼の型になった。晩年はエド・ウッドの映画に出演し、ドラキュラの衣装を着て埋葬された。
-
アマゾンの奥地の入り江に住む半魚人が、調査隊の女性に惹かれる。水中撮影で、水面を泳ぐ女性の真下を半魚人が泳ぐ場面が有名。デザインは女性デザイナーのミリセント・パトリックが手がけた。
-
南の島で見つかった巨大なゴリラがニューヨークに連れて来られ、エンパイア・ステート・ビルに登る。模型を一コマずつ動かして撮るストップモーションで作られた。
-
『キング・コング』を見て人形アニメーションの道に進んだ特撮作家。『アルゴ探検隊の大冒険』の骸骨の兵士たちとの剣戟など、神話の怪物に命を吹き込んだ。
-
水爆実験で目覚めた怪獣が東京を焼き払う。第五福竜丸の被爆事件の年に作られ、戦争と核の記憶が込められていた。着ぐるみの怪獣が模型の街を壊す撮影方法は「特撮」として世界に広がった。
-
「特撮の神様」と呼ばれる特殊技術監督。『ゴジラ』の特撮を手がけ、のちに円谷プロダクションを作り『ウルトラマン』を生んだ。
-
彫刻家。『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』の怪獣や宇宙人、ヒーローのデザインを手がけた。前衛美術の考え方を持ち込み、バルタン星人やメトロン星人など、今も色褪せない造形を残した。
-
戦国時代、悪い領主に苦しめられる村人の祈りに応えて、山の埴輪のような穏やかな顔の石像が、憤怒の武神の顔に変わって動き出す。時代劇と特撮を組み合わせ、一年で三作が作られた。
-
ユニバーサルの怪物たちを、鮮やかなカラーと赤い血で作り直したイギリスの映画会社。クリストファー・リーのドラキュラとピーター・カッシングのヴァン・ヘルシングの対決が看板だった。
-
隕石から出てきたゼリー状の生き物が、人を飲み込みながら大きくなっていく。若きスティーヴ・マックイーンの主演作。形のない怪物の元祖として知られる。
-
「光に当てない」「水に濡らさない」「真夜中過ぎに食べ物を与えない」という三つの約束を破ると、可愛いモグワイが凶暴なグレムリンに変わる。もとは第二次大戦中の飛行機の故障を起こす小鬼の言い伝えから名付けられた。
-
『ターミネーター』『エイリアン2』のエイリアン・クイーン、『プレデター』、『ジュラシック・パーク』の恐竜を手がけた特殊効果の職人。実物大の機械仕掛けの怪物を作った。
-
ボリス・カーロフが三千七百年の眠りから覚めた古代エジプトの神官を演じたユニバーサル映画。ツタンカーメン王墓の発掘ブームを背景に作られた。包帯を引きずって歩くミイラ男の姿は、のちの続編で定まった。
-
大映の特撮映画に出てくる巨大な亀の怪獣。手足を引っ込めた甲羅から火を噴いて回転しながら空を飛ぶ。「子どもの味方」として昭和のシリーズで人気を集め、1990年代には金子修介の三部作でよみがえった。
-
南の島で神と崇められる巨大な蛾の怪獣。中村真一郎、福永武彦、堀田善衛の三人の作家の原作をもとに映画化された。双子の小美人が歌う「モスラの歌」で呼び寄せられる。
第六部東洋の妖獣
-
殷や周の時代の青銅器に刻まれた、目を大きく見開いた獣の顔の文様。のちの伝説では、何でも食べ尽くす貪欲な怪物とされた。
-
九本の尾を持つ狐の妖怪。中国では殷の妲己、日本では鳥羽上皇に仕えた玉藻前に化けて国を乱したとされる。
-
鹿の体、牛の尾、馬の蹄を持つ、優れた王が現れる時に姿を見せるとされた聖なる獣。明の時代、アフリカから献上されたキリンが麒麟だとされ、その名がついた。
-
猿の顔、狸の胴、虎の手足、蛇の尾を持ち、夜にトラツグミのような声で鳴く怪物。天皇を苦しめたため、源頼政が矢で射落とした。正体の分からないものを「鵺のような」と言う。
-
八つの頭と八つの尾を持ち、八つの谷と八つの峰にまたがる大蛇。スサノオが酒で酔わせて退治し、尾から草薙の剣が出てきた。
-
三上山を七巻き半するほどの大ムカデ。俵藤太(藤原秀郷)が唾をつけた矢で射て退治したと伝わる。
-
もとは朝廷に従わない土地の人々を呼んだ言葉。のちに、源頼光を病で苦しめた巨大な蜘蛛の妖怪として語られ、能の演目にもなった。
-
大江山に住み、都の人々をさらった鬼の頭領。源頼光と四天王が山伏に化けて近づき、毒の酒で酔わせて首を斬った。
-
インド神話の、コブラの姿や半人半蛇の姿の蛇神。水と地下の宝を守る。仏教では仏を守る龍王になり、東南アジアの寺院の階段の手すりになっている。
-
ヴィシュヌ神を乗せる、鷲の頭と翼を持つ神鳥。蛇のナーガと敵対する。仏教では迦楼羅となり、インドネシアとタイの国章にもなっている。
-
夜になると、女の首が内臓をぶら下げたまま体から抜け出し、空を飛んで血を吸いに行く。家の窓辺にはトゲのある植物を置いて、内臓が引っかかるようにして防ぐ。
-
昼は普通の人間として暮らし、夜になると獣や鳥に姿を変えて人を襲う怪物の総称。上半身だけが体から離れて飛ぶものもいる。
-
死後硬直で体が曲がらないため、両腕を前に伸ばして跳ねて移動する死体。額に貼られた道士の札で動きを止める。遠方で死んだ人を故郷に運ぶため、死体を歩かせる術があったという伝承がもとになった。
-
『荘子』に出てくる、目も耳も鼻も口もない中央の帝。友人たちが恩返しに一日一つずつ穴を開けてやると、七日目に死んでしまった。『山海経』では顔のない、翼のある獣の姿で描かれ、のちに「四凶」の一つに数えられた。
-
人の言葉を話し、世の中のすべての妖怪のことを知っているという神獣。黄帝に一万一千五百二十種の鬼神のことを教えたとされる。江戸時代には、目が九つある白澤の絵が疫病よけのお守りとして売られた。
-
象の鼻、犀の目、牛の尾、虎の脚を持つとされる中国の獣。皮を敷いて寝ると邪気を避けるとされた。日本では悪い夢を食べる獣になり、枕の下に獏の絵を敷く習わしが生まれた。
-
雷とともに天から落ちてくるという獣。姿は子犬、イタチ、猫などさまざまに伝えられ、鋭い爪で木を裂く。江戸時代には捕まえたという記録や、干からびた死骸とされるものが残された。
該当する見出し語は、この分類にはありません。辞典全体の索引も引いてみてください。
ほかの分類
サブカル辞典
- 一 宗教Religion 世界の大宗教から、消えた古代の信仰、日本の新宗教、パロディ宗教、事件を起こした教団まで。228語
- 二 アングラ演劇Underground Theater 紅テント、天井桟敷、暗黒舞踏から、海外の実験演劇、小劇場の後継者たちまで。146語
- 三 画家Painters ボス、ゴヤ、ベクシンスキー、ダーガーから、若冲、絵金、芳年、石田徹也まで。196語
- 四 漫画と劇画Manga & Comics 『ガロ』の作家たち、貸本から生まれた劇画、少年誌に載った悪夢、海の向こうのアンダーグラウンド・コミックスまで。123語
- 五 映画と映像Cinema & Moving Image 真夜中の上映会、史上最悪と呼ばれた映画、封印された作品、フィルムに蛾の羽を貼った実験映画まで。130語
- 六 カルト映画Cult Film 深夜上映、公開時の大失敗、ビデオ屋の棚、応援上映。熱狂的な観客が支えた映画と監督たち。84語
- 七 音と音楽Sound & Music 日本のアンダーグラウンド、ノイズ、実験音楽、そして誰にも似ていない孤独な録音まで。114語
- 八 本と雑誌Books & Magazines 事典のふりをした小説、ひとつの文字を使わずに書かれた長編、読者が作った雑誌、自動販売機で売られた本まで。106語
- 九 ゲームと遊びGames & Play 砂漠を8時間走るだけのバス、夢の中を歩くだけのゲーム、埋められたカートリッジ、ルールを変えることがルールの遊びまで。139語
- 十 変なWebサイトWeird Websites 阿部寛のホームページ、Zombo.com、Time Cube、無限に続く絵、何の役にも立たないボタン、ネットの遺跡まで。129語
- 十一 オカルトOccult 錬金術と秘密結社、UFOとUMA、未解決の怪事件、日本の怪異、ネット怪談まで。181語
- 十二 未解決Unsolved 読めない暗号、消えた人と船、正体の分からない光と音、見つからない財宝。まだ誰も答えを出せていないもの。68語
- 十三 UMACryptids 湖の首長竜、森の獣人、空を飛ぶ爬虫類、絶滅したはずの獣、剥製職人の作った怪物まで。71語
- 十四 妖精Fairies 取り替え子、妖精の輪、家に憑く小人、水辺の精、妖精を描いた画家と、妖精を集めた学者たち。84語
- 十五 エログロナンセンスEro Guro Nonsense 昭和初期の流行語から、乱歩と『新青年』、梅原北明の発禁本、浅草、見世物小屋、無残絵、ガロと丸尾末広まで。134語
- 十六 街と族Streets & Tribes 日曜の歩行者天国で踊った若者、真っ黒な服の群れ、白い口紅の少女たち、そして役に立たない階段を探して歩いた大人まで。110語
- 十七 奇妙な場所Strange Places 骨で飾られた礼拝堂、終わらない増築の屋敷、怪物の庭、寄生虫の博物館、人の消えた町まで。272語