歴史は、大きな事件の連なりとして教えられます。けれど記録をたどると、その隙間には、首をかしげたくなるような出来事が数多く残っています。豚を裁判にかけた町、ダンスをやめられなくなった人々、切り取られた耳をきっかけに始まった戦争。ここには、事実として確かめられている奇談を集めました。
伝説と記録の境が曖昧なものは、その旨を書いています。
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ばかげた戦争と外交
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スペイン沿岸警備隊に耳を切られたと主張する船長の話が、イギリス議会で語られ、開戦の一因になった戦争。
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フランス人の菓子屋が、メキシコで被った被害の賠償を求め、フランスが封鎖に踏み切った。
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農作物を荒らすエミューの駆除に、軍隊が機関銃を持ち出したが、ほとんど成果を上げられなかった。
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サン・フアン島で、アメリカ人がイギリス人の飼っていた豚を撃ったことから、両国が対峙した。死者は、豚一頭のみ。
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イギリスの総督が、アシャンティの王が座る黄金の床几に座らせろと要求し、反乱になった。
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ボローニャの兵が、モデナの井戸から木のバケツを盗んだことが発端の戦争。
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フランスの王位を巡り、イギリスとフランスが、断続的に争った。実際は、百十六年続いた。
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ヨーロッパ全土を巻き込み、ドイツの人口の多くが失われた。
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史上最も短い戦争。宮殿が砲撃されて、38分から45分で、降伏した。
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エルサルバドルとホンジュラスが、ワールドカップ予選の試合をきっかけに、戦争になった。
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米英の国境線を巡り、メイン州とカナダの間で対峙した。実際の戦闘は、ほとんど起きなかった。
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カーディガン伯爵の名は、彼が着た、前開きの編み服から生まれたとされる。
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ラグラン卿の名にちなむ袖。片腕を失った卿が、着やすくするために作らせたと言われる。
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前教皇フォルモススの遺体を掘り起こし、椅子に座らせて裁判にかけた。
動物を裁く
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豚、ネズミ、虫などが人を殺したり、作物を荒らしたりしたとして、裁判にかけられた記録がある。
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幼児を殺した豚が、人間の服を着せられ、公開で処刑された。
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弁護士シャスネは、ネズミの弁護をして名を上げたとされる。
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魔女とされた人々が、拷問や水の試練などで有罪とされ、多くが処刑された。
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縛って水に投げ込み、沈めば無実、浮けば有罪とする。
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熱湯に手を入れて、火傷をしなければ正しいとする、古代の裁判。
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争いを、決闘の勝敗で決める。神が、正しい者に味方するとされた。
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代々の家業として、処刑を担った人々。差別の対象となる一方、医療の知識を持つことがあった。
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パリの死刑執行人を、代々務めた家。ルイ十六世の処刑も担当した。
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苦痛を減らす、人道的な処刑具として導入された。考案者の名前は、医師ギヨタンから。
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人々の前で行われる処刑は、近代以前、見世物でもあった。
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十字架や柱に、体を縛るか釘で打ちつける処刑。
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主殺しなどの重罪人を、首だけ出して埋め、通行人に鋸を引かせる刑。
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斬られた首を、人々に見せる刑。
奇妙な法律と習わし
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徳川綱吉が出した、動物の殺生を禁じる法令。犬を大切にした話が知られ、「犬公方」と呼ばれた。
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徳川綱吉の別名。犬の保護の政策に由来する。
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生類憐みの令で、野良犬を保護するため、江戸の中野に、広大な犬小屋を造った。数万頭の犬を収容した。
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庶民の贅沢を禁じる法令。衣服の色や素材まで、決められた。
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酒の製造と販売を禁じる法律。かえって密造酒や、ギャングを生んだ。
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禁酒法時代のシカゴの犯罪組織の首領。脱税で有罪となった。
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窓の数に応じた税。人々は、税を逃れるために、窓を塞いだ。
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ピョートル大帝が、ひげを伸ばす人に課した税。
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女性の立ち入りを禁じる、山や神事の習わし。大峰山などに、いまも残る。
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キリスト教の信者を見つけるために、聖母やキリストの像を踏ませた。
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村の近隣の五戸を単位として、連帯責任を負わせた制度。
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軍人などを除いて、刀を身につけることを禁じた明治政府の法令。
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髷を切ることを許可した令。実際は、強制ではなかったが、切ることが「文明開化」の象徴になった。
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欧化政策の象徴として、東京に建てられた社交場。夜会が、連日行われた。
集団の奇妙な出来事
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一人の女性が踊り出したことをきっかけに、数百人が、何日も踊り続けた。原因は、いまも議論されている。
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チューリップの球根の値段が、家一軒分に高騰し、暴落した。史上初のバブルとされる。
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南海会社の株が高騰して暴落した事件。ニュートンも、株で損をしたとされる。
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庶民が、伊勢神宮に、集団で参詣した。多い年には、数百万人が参加した。
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女学校で、少女たちの間に、笑いが止まらない症状が広がり、学校が閉鎖された。
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一人の症状が、周囲に広がる現象。学校や工場で報告される。
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戦時中に、飛行機で物資が届いたのを見て、島の人々が、滑走路や管制塔を模して、再び物が来るよう祈った。
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島の人々が、物資をもたらす神を信じるカーゴ・カルト。毎年二月十五日に、祭が行われる。
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二〇〇〇年になると、コンピュータが誤作動する恐れがあった問題。備えの効果で、大きな混乱は起きなかった。
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ノストラダムスの予言の詩が、世界の終わりを告げたとする説が、日本で広まった。
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マヤ暦の周期の終わりを、世界の終わりと解釈する説が広まった。
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ウィリアム・ミラーが、キリストの再臨を予言した日に、信者たちは、白い服を着て待った。何も起きなかった。
有名人の奇妙な最期と伝説
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禿頭の劇作家が、鷲に落とされた亀で頭を打たれて死んだという伝承がある。
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砂に円を描いて考えているところを、ローマの兵に殺されたと伝わる。
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神になろうとして、エトナ山の火口に飛び込んだと伝わる哲学者。
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鯛の天ぷらを食べて、腹を壊したことが死因とする説が、広く流布している。
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「露と落ち露と消えにし我が身かな 浪速のことは夢のまた夢」。
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「人間五十年」と舞い、本能寺で亡くなった。
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兄・頼朝に追われ、平泉で自害したが、モンゴルに渡ってチンギス・ハンになったという伝説が、江戸時代に広まった。
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幕末の志士。誕生日と同じ日に、京都の近江屋で暗殺された。
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平将門の首が、京都から関東まで飛んでいったという伝説。東京大手町の首塚は、いまも祟りを恐れて大切に守られている。
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大宰府に左遷され、その死後、都で雷が続いたため、怨霊とされ、天神として祀られた。
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讃岐に流された上皇。死後、日本の大魔王になると、呪ったと伝わる。
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